News & Information

2021年05月24日
Press release

AR技術による工場オペレーション高度化についての実証実験を三菱重工業株式会社と実施

工場およびプラントの保守点検へのAR技術の応用可能性について実証実験を行い、成功に完了しました

Cellid株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:白神 賢、以下「Cellid」)は、三菱重工業株式会社(本社:東京都千代田区、取締役社長CEO:泉澤 清次、以下「三菱重工」)からの委託に基づき、三菱重工が運営するYokohama Hardtech Hub(所在地:神奈川県横浜市中区)において、工場およびプラントの保守点検へのAR技術の応用可能性について実証実験を行い、成功裡に完了しました。

■目的

本実証実験は、①ベテランと若⼿の“動線データ”を⽐較し、その差を把握することで若⼿の早期⾃⾛を実現する、②“AR付箋”による具体性の⾼い指⽰を活⽤し、保守担当者へ高度な遠隔支援を提供すると共に、管理費や事故による損害を抑制する、を実現するAR技術を用いたサービスの開発を念頭に、その基礎技術としてのCellid SLAMの有効性を検証するために実施されたものです。

<動線データ>
動線データとはカメラ装着者の移動経路とカメラの向きに関するデータ。

<AR付箋>
AR付箋は現実空間に注意事項・記録・指示などのデジタルデータを貼り付けたもの。実装アプリケーションは開発中。

■保守点検の一般的な課題とCellid SLAMが提供し得る解決策
工場やプラントの保守点検に関わる課題として、一般的に3つの領域が把握されております。それぞれの領域についてCellid SLAMが提供し得る解決策は以下の通りです。

■位置情報の取得におけるCellid SLAMの優位性

既存技術と比較したCellid SLAMの特徴は以下の通りです。保守点検のユースケースにおいて重要な、視認映像の保存や非GPS環境での3次元位置の把握などの点で、顕著な優位性があります。

*1 実証実験では2016年モデルのiPadやiPhone Xを用いたが汎用のRGB単眼カメラを活用することが可能。
*2 一般に使用されるORB-SLAM2とKITTIが公表する標準データセット5種で比較した結果約1.8倍の精度を得た。実際の位置との誤差は数十センチ以内。
*3 移動局を併用する最新の方法では更に高い精度を発揮するが普及に至っていない。


■今後の展望
今後は、様々な工場などにおいて同様のオペレーション高度化のためのデータ解析の実例を積み重ねる傍ら、コミュニケーションの取りづらい海外工場における同様のオペレーション導入のための実証を進めていく計画です。

■三菱重工のYokohama Hardtech Hub
神奈川県横浜市の本牧エリアに位置する、三菱重工が運営する共創空間。ハードテック(Hardtech)の革新的なアイデアの創出とその実現の為、共創を通じて新しい技術やビジネスが生まれる場(Hub)となることを目指しており、社会課題の解決を志すベンチャー企業等が入居している。

Yokohama Hardtech Hub (写真提供:三菱重工)